<今週の動きと週間見通し>

エヌビディア決算控える、引き続きFRBの金融政策動向を注視

5月13−16日の米国株式市場で、NYダウは上昇した。週初13日は利益確定売りに押され、9日ぶり反落。14日、米4月PPI（生産者物価指数）が市場予想を上回ったものの、3月分が下方修正されたことでインフレへの過度な警戒が和らぎ、上昇した。15日、米4月CPI（消費者物価指数）の伸びが鈍化したほか、米4月小売売上高も低調だったことから、FRB（米連邦準備制度理事会）の年内利下げ見送り観測が後退し大幅高となった。16日は利食いに押され、小幅に反落した。
米国株は目先、現地22日に発表予定の米半導体大手エヌビディア（NVDA）の決算をにらんだ展開。同社の業績や見通しが生成AI（人工知能）および半導体の需要動向を見定める材料とみなされ、ハイテク株を中心に米国のみならず世界の株価の当面のトレンドを決定付ける可能性がある。米企業決算ではその他、パロアルト・ネットワークス（PANW）、ロウズ（LOW）、ターゲット（TGT）、シノプシス（SNPS）、メドトロニック（MDT）などが発表予定。
米4月雇用統計、米4月CPIを波乱なく通過し、米国は景気後退を回避しながらインフレを鎮静化するソフトランディング（軟着陸）への期待がふたたび高まりつつある。こうした中、米国株はFRBの年内利下げの確度や時期、回数を探る相場が続く。複数のFRB高官の講演内容や、4月30日−5月1日開催分FOMC（米連邦公開市場委員会）議事要旨に一喜一憂する展開となりそうだ。FRB高官発言はインフレの見通しや利下げに対し慎重な論調が優勢となる可能性があるが、利下げの手掛かりとなる材料があれば株価は素直に好感する動きとなりそう。経済指標ではその他、米4月中古住宅販売件数、米4月新築住宅販売件数、米4月耐久財受注が発表予定で、週間の米新規失業保険申請件数にも注意したい。